お砂糖ひとさじを求めて

【小説の解説】と【映画の解説】を自分なりに頑張って書いてます。たまに他のことも。

【小説の解説】死神の精度/伊坂幸太郎

 

どうも、やさなりです!今回は伊坂さんの死神の精度を解説していきたいと思います!ネタバレありなので注意です!!

 

 

死神の視点。

私が読書を本格的に趣味にしようと思ったのは中学の時、伊坂幸太郎の本に出会ったからだと言えるだろう。今ほどこの世の中を知らず、何も考えずにただ日々を過ごしていた。そんな時、友人から『ラッシュライフ』を読むように勧められた。当時、読書というものに興味はなかった私だが、いざ読み始めると、寝る暇も惜しむほど没頭していた。ミステリ小説を知らなかった私からすれば、それはものすごく新鮮であり、伏線が回収され、最後のピースになるものがうまくハマったときの謎の達成感と驚きはいままで体感したことないものだった。

 

そんな私の心を鷲掴みにした伊坂幸太郎は、この『死神の精度』でも楽しませてくれた。

 

6つの短編の「主人公」は「死神」である「千葉」だ。

千葉は調査員として対象者を7日間調査する。そして、 死を実行するならば「可」。しないのならば「見送り」。の報告を行う。「可」の報告を行えば8日目には死が実行される。なので、この小説では6人の生死が千葉の手によって判断される。

 

まず、本のタイトルでもある第一話の「死神の精度」は床屋のシーンから始まる。

「死神」と聞いていたのに「床屋」が出てきて、そのギャップに私は驚き、「これがどうなっていくのだろう」と今後の展開が気になった。

『オーデュボンの祈り』のように、非日常を現実的に見せる事(マジックリアリズム)を可能にしたのはこのような一見なんの繋がりもないような2語を違和感なく繋げることが出来るからであろう。その文に魅了される人は多いはず。

 

第一話の千葉の判断は「見送り」である。

なので、私は残りの5つもなんだかんだ「見送り」なんだろうなと思っていた。そう思った時点でこの勝負は伊坂幸太郎の勝ちだ。残りの5つはどれも「可」だ。

 

それを千葉は「8日後には死んでしまうのに、そのことを知らずに小さなことで悩んだり、喜んだりするのは何故だろう」といった感じで眺めている。読者もそう思う人はいるはず。

 

それは「人間いずれ死ぬのに何故生きているのだろう」と思う事と同じであり、この小説でそれを揶揄しているのだろうとも思わせる。

 

しかし、第六話の「死神対老女」では死ぬと知りながら最後まで一生懸命生きている。

この中で老女はこんな事を言っている。

 

「-太陽が空にあるのは当たり前のことで、特別なものではないよね。でも、太陽は大事でしょ。死ぬことも同じじゃないかと思うんだよね。ー」(323頁より)

 

そして、太陽を見て、眩しがっている老女に向けて千葉。

 

「人間というのは、眩しい時と笑う時に、似た表情になるんだな」(336頁より)

 

第六話でこの小説の伝えたいメッセージがわかる。

 

人間誰しもが死ぬけど、それは当たり前で、死んだ時にあの世で「この人生は良かった」と笑いながら思えればいい。だから精一杯死ぬまで生きよう。って事だと思う。

 

 

あと、伊坂幸太郎といえば少しずつ物語が交差するのも魅了のひとつ。今回の短編ではそれぞれがどれかにすこし出てくる。そのおかげで短編集なのに、ひとつの長編を読んだような繋がったものになる。しかし、ひとつずつ読んでもどれも面白く、小説ってすごいとますます思わされた。

 


 

【ブログ開設】自己紹介とブログの方針。


どうも、やさなりです。


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性別は男性。生まれは日本。趣味は読書。


趣味が読書ということで、どうせ本を読むなら記録をしていきたいと思い。記録をしていくなら解説したいと思ってこのブログ開設しました。(解説だけに……笑)


出来れば、文庫本の最後に付いている解説のような素晴らしい文を目指して、やさなりという1人の読者としての見解をだらだらと述べていこうと思います。


文章の作成や読解は得意ではないですが、このブログを機に勉強しつつ、また、ブログの質の向上に努めていきたいと思います。